【博士課程を検討している方へ】博士課程の稼ぎ方【理研・JRA編】

理系キャリアとラボ生活
こんにちは。tomoです。
前回の記事では博士課程進学者向けて学術振興会特別研究員(学振)についてお話しさせて頂きました。
ただ、正直言って学振に採用されるのはなかなか難しいです。
どの人が採点者になるかなど運的要素も含まれますし、DC1に申請する修士課程の方はそうした不確定要素をもったまま博士課程進学を決意しなければなりません。
こちらの記事は学振の結果が発表されると、アクセス数が伸び出すので不安に思われている方が検索し出すのでしょう。私自身も学生時代はDC1に落選し、惜しくも落選してしまった皆様と同様の経験をしています。
そこで今回は博士課程に進学する学生が金銭的な支援を受けることができてかつ、比較的高確率で採用が見込める理化学研究所のJRAという制度についてご紹介したいと思います。

JRAとは?

中央競馬会のことではありません。ジュニア・リサーチ・アソシエイトの略で理化学研究所内の研究室に所属する学生のみが申請できる学振のような制度です。
給料は月に16万円程で、交通費も別途支給されます!
給料ですのでもちろん返済の義務はありません。
年間に換算すると、192万円ですので、240万円もらえる学振と比較すると受給額が少なかったり、研究費は貰えないなどの見劣りする面はありますが、注目すべきはその採択率にあります。
理研が公式に発表しているデータは残念ながら見つけることができませんでしたが、少なくとも7割程度の確率で採択されている模様です(追記:どうやら同じラボでJRAに2人以上申請すると片方は補欠合格になることがあるようです。)
ラボ主宰者の先生が学生達を順位付けしているので、修士の頃からお世話になって、先生と良好な人間関係を築けていた方が有利と言うことになります)。
例えば、その研究室にはすでに博士課程に進学することが決定している学生がいて、その研究室に外部の大学などから申請すると、理化学研究所の先生も人間ですからもともと研究室で研究してくれている学生の順位を高くする傾向にあると言うことです。
僕の知人にも申請している人が何人かいましたが、今のところ不採用だった人は上記のパターンに当てはまる人です。基本的には、しっかりと研究計画を論理的に記載できていれば大丈夫だと思います。
またJRAは修士課程の頃に申請して不採用だったとしても、翌年以降に再挑戦できます。
その際には同じラボの同期にJRAに採用されている人がいるかどうかは関係ありませんので、合格率はさらに上昇します。
これって学振と比べると驚異的なことだと思いませんか?

どうすれば申請できるの?

理化学研究所の研究室所属の学生になれば誰でも申請できます。
じゃあどうやって理研のラボのメンバーになれるのかってことですが、方法は2パターンあります。
1つ目は理研の研究室を主催するボス(教授的な人)がどこかの大学院の兼任の教員になっていて、そこの大学院の入試を受けて入るパターン。
2つ目は、まずどこでも良いので、どこかの大学院のどこかの研究室に博士課程で進学したのち、研究指導委託という制度を使って理研のラボに派遣してもらうパターンです。
1つ目のパターンは想像つきやすいかと思います。
具体的には東大や埼玉大、兵庫県立大など研究室一覧をみると連携教員などと書かれている先生がいるとおもいます。その人の研究室所在地が理研の住所ならまず間違い無いでしょう。
念のためラボ見学を行い、JRAに申請可能か聞いてみると良いでしょう。
2つ目は少し特殊なパターンです。理研の先生の中には兼任で大学に籍を置いてない先生もいらっしゃいます。
そうなった場合、一度どこかの大学の研究室に籍を置いて、そこから派遣されるという手続きを踏まなければなりません。
すこし面倒ですが、これでもJRAの出願資格が得られます。
なのでもし興味のある先生がどこかの大学の兼任でなくても一度上記の制度を使って受け入れてもらうことが可能か聞いてみると良いと思います。
籍を置かせてもらえる大学まで紹介してもらえるかもしれません。

いつどんな申請書を書けば良いの?

提出の締め切りは学振より遅く、前年度の10月ごろです。しかもこの申請書、学振より楽です。
たったの3ページです。学振の申請書を先に書いてしまっていればほぼコピペして終了します。
ちなみに結果は1月か2月ごろまでにはわかるそうです。

まとめ

今回は理研のJRAという制度について紹介させていただきました。
あなた自身がどんな研究に興味があって何を解き明かしたいか、と言うことは非常に重要でしょう。
しかし、それは研究生活に集中できる環境がしっかりと整ってこそ初めて考えるべきことなのだと思います。
理化学研究所は国家の最高研究機関です。従って、あなたの興味のある研究内容に限りなく近いことをやっているラボは必ず存在するはずです。
そして理化学研究所の研究室はどのラボも潤沢な研究費を持っているので、あなたの思いついたアイデアを思う存分、実験という形で表現できるはずです。
これは、地方の国立大学の研究室では絶対にできないことです。東大でも理研の研究室ほどのびのび研究できる研究室はないでしょう。
なので、もし理研に興味のある研究室があったらぜひJRAを利用してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!

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