博士中退・ポスドクの就活・転職戦略

就活・転職


博士課程やポスドクの途中で研究者には見切りをつけて民間企業に就職・転職したいな。


そんな風に悩んでいる方にむけてこのブログを書いています。

こんにちは。tomoです。

アカデミアってかなりストイックで自分のプライベートを切り捨ててでも学術に貢献したいって人じゃないと教授とかになるの難しいですよね。中には超効率的に研究をこなす天才もいますが、、


もちろん修士課程や博士課程の初めの頃にはバリバリ研究してやるぜって思ってた方でも徐々に理想と現実のギャップに打ちひしがれて熱意を失ってしまったということがあるのではないでしょうか。


僕自身は科学に対する情熱を失ったわけではないですが、任期制で不安定なアカデミア界でポスドクや助教としてテニュアのポシションを目指すよりもビジネスの世界から研究を活性化させる方が世の中に貢献できるのではないかという考えに至り、28歳でアカデミアに見切りをつけ転職活動を行った経緯があります。


僕は一浪して大学に入ったので、博士課程を卒業した後すぐに転職活動を開始したということになります。


しかも当時の状況としては3年で学位は取り切ることができず、単位取得退学で大学を出た後に学位を取得したという流れです。


単位取得退学後は大学院時代からお世話になっていた国立の研究機関で博士研究員として研究に従事しながら転職活動を行っていました。


なんでそんな中途半端な時期にと思われるかもしれませんが、僕は元々、博士課程在籍時にはアメリカにポスドクとして留学する予定でした。


しかしコロナウイルスの影響でアメリカに行けなくなってしまいました。


その後、自分のキャリアパスについて深く考えた結果、日本のライフサイエンス業界に貢献するにはビジネスの世界もありなのではないかと思い、博士研究員になったと同時に転職活動をスタートさせました。


今回はこのような僕の特殊な経験を皆様に公開することで、どこかの僕と同じような境遇にいる人に有益な情報を与えられればと思い、この記事を作成する事にしました。

博士・ポスドクの就職・転職活動ってどうやって始めればいいの?

僕のように28才で就職活動を始める場合は転職という立場をとった方が良いと思います。

学部・修士新卒に紛れて就職活動を行うこともできると思いますが、5才以上年齢の離れた人たちの中で若さとポテンシャル重視の新卒一括採用の戦場で戦うのはかなり不利だと思います。

僕が実際に転職活動したイメージだと、

  • 修士課程中退や、博士課程早期に中退->新卒採用・第二新卒採用
  • 博士課程単位取得退学・ポスドク->転職(20代なら新卒・第二新卒で行ける可能性もあり)

といった感じです。

修士課程中退でしたら、通常の新卒一括採用でも十分にやっていける可能性があります。ただし、中退ですので修士課程を修了した学生のように研究職に就くのは難易度が高いかもしれません。このパターンの就活でしたら、就職エージェントや転職エージェントを使う必要はありません。マイナビやリクナビなどを使って、直接応募で企業を探していけば良いと思います。

他のブロガーさんなどの記事で新卒でエージェントを使うことを奨励するものが散見されますが、あれは基本的にアフィリエイトによる収益を見込んだものです。

その人の記事やブログの中に就職エージェントの登録ページへのリンクはありませんでしたか?もしあったのであれば、そのリンク経由であなたが就職エージェントサイトに登録すると、自動的にそのブログの運営者にお金が入ります。

つまり彼/彼女らはビジネスのためのそのブログ記事を執筆しているのです。

基本的に新卒一括採用でエージェントを使う必要はありません。

なぜならば新卒採用ではしっかりと業界研究をし、自己分析を行った人でしたら必ずいきたい企業がいくつか浮かび上がってくるはずだからです。

それでも見つからない人は自分でビジネスを起こすことに興味があるor本当はアカデミアに残りたいなど、会社員になる以外のルートで自身のキャリアの方向性を考えてみると良いでしょう。


応募可能な業界はある程度限られてきます。新卒一括採用で社員を育てていく文化の日系大手企業は年齢的な側面と社会人経験がないこと(ポスドクもせいぜい契約社員程度の扱い)から難易度は高いと考えられます。

なので、年齢や職務経歴、業界経験に寛容な業界を中心に就職活動を行う必要があります。

具体的にはあなたの研究の専門業界(医学・生命科学ならライフサイエンスなど)、IT・WEB業界(SEやWEBマーケター、データサイエンティストなど)、コンサル業界などになるかと思います。

特に理系の方でしたら、自身の専門としていた業界では博士課程やポスドクの経験を歓迎してくれることも多いです。

また、僕のいたライフサイエンスの業界ですと外資系のライフサイエンスメーカーは日系企業に比べて、年齢よりも何をしてきたかに着目して人材を探している傾向があります。

英語がある程度(TOEIC730点以上とか)できていると外資系の可能性も見えてくると思います。まだTOEICで730点以上を証明するスコアがない方でも研究者として培ってきた英語運用能力があれば十分に突破できるスコアだと思います(もちろんTOEIC対策のためにある程度勉強時間を確保することは必須です)。

TOEICの勉強方法についてはこのブログでも紹介していますのでチェックしてみてください。

ただし、外資系の場合ですと研究職というのはあまりなくて、技術営業職/フィールドアプリケーション・サイエンティスト(研究者に実験機器の取り扱い方や技術的な課題の解決策をサポートする人)、MSL(メディカルサイエンスリエゾン(論文いっぱい読んで知見を提供する人))の募集が多いです。

ここら辺は、研究者というよりもビジネスパーソンとしてライフサイエンスに貢献していきたいというキャリアビジョンを持った方におすすめの職業でしょう。企業によっては海外の同僚と英語でやり取りする機会があるなど、国際的な活躍をしてみたいという人にもおすすめです。

これらの企業はあなたが研究室で使ってきた試薬や実験装置の会社の求人サイトを見ることによって見つけることができます。

また海外での就業も視野に入れている人は研究職でのチャンスもあると思います。ただし海外でポスドク経験を積んでいないと厳しいという話を聞きます。

一方で、どうしても研究職を希望する場合には日系の製薬会社という事になります。ただし、現在ですと、データサイエンティスト(次世代シーケンサーの解析などビッグデータを扱える人、機械学習ができる人)を中心に採用活動をしているようですので、ウェットの研究しかできないとかだと、難しいかもしれません。

バイオベンチャー など多少規模の小さいところでも良いのでしたらウェットだけでも可能性はあります。転職エージェントさん曰く、ヒトの細胞とか使ってると有利みたいです。

IT・WEB業界は未経験でも受け入れてくれる企業があるようです。とは言っても最近は未経験からプログラマーみたいのは結構難しくなってきているようです。

また、IT業界にはSESと呼ばれるプログラマーの派遣企業みたいのがあって、これは客先でプログラムのテストをするだけなど人材として全く成長できない業務に割り当てられてしまうようです。

せっかく博士までとってこんな仕事じゃ非常にもったいないですよね、、。年収レンジも未経験での就職となるためライフサイエンス系の企業に入るよりも低くなってしまう可能性があります。研究活動のなかでプログラミングの経験があるのでしたら、可能性があるかもしれません。

まずは自己分析からはじめよう

博士やポスドクが進むことのできる業界については上記にて整理しました。もちろん紹介したものが全てではありませんが、主要なものは大体あげられたのではないかと思います。

では次に、あなた自身がどの業界に進むべきなのか分析する方法について紹介していきます。

まずはいきなり会社に履歴書を送るのではなく、自分が人生を通して何がしたいのか冷静に分析を行いましょう。

下記の本などを参考に自己分析をしてみると良いと思います。真面目に分析すると1日以上かかるかと思います。僕は1ヶ月くらいはかかりました。

  • やりたいことの見つけ方

自分のやりたいこと、できることなどを書き出して自分にとって適切な職業が何であるか分析することにできる一冊。

  • メモの魔力

メモの取り方についての本だと思われがちですが、それはこの本の50%。残り半分は自分の人生を振り返って自己を分析できる質問一覧が収録されている、自己分析本です。

とりあえず、実現の可能性はおいといてやりたいことや好きなことをこれまでの経験を振り返りながら洗い出してみましょう。

案外研究以外にも自分の好きなことや得意なことややりたいことが見つかるかもしれません。

いろいろ、分析したけどやりたい仕事が見つからないという人は、自分が社会に対して何をすれば最も貢献できるのか考えましょう。

確かに大きな夢を持つことも重要ですが30才前後の博士課程学生やポスドクなので自分にできることとできないことの見分けくらいつくようになってるはずです。現実に向き合いましょう。

履歴書と職務経歴書を作成しましょうフリーランスを目指したり、田舎で自給自足の生活を選択した人以外は何らかの職業につきたいと思ったはずです。まずは履歴書と職務経歴書を準備していきましょう。

後ほど転職サイトに登録していただくのですが、どんな転職サイトでも自身の職務経歴などを登録する必要がありますので、先に書類を作ってしまった方がスムーズにことが運びます。

めんどくさい人は先に転職サイトに登録でも良いです。転職では企業ごとにエントリーシートを作成するとかはしません。

しかし職務経歴書は企業ごとのオーダーメイドの方が書類通過率は上がる可能性はあります。転職エージェントに登録して意見を仰ぐと良いで良いでしょう。

自己PRの項目は今まで自分が行ってきたことと、企業の求人欄のMustとWantの条件をつなぎ合わせるようにかこう

転職サイトに登録しよう

僕の個人的な見解としては博士中退・ポスドクの方でも理想的には直接応募で企業の採用サイトから直接応募することを推奨します。

転職エージェントはあなたが紹介した企業に入社すると企業から紹介料としてあなたの内定先での年収の30%程度を報酬として受け取るというビジネスモデルで成り立っています。

なので僕たちの側の使用料は無料なのです。

そうすると、僕たちは就活エージェントを介さず直接応募した方が企業はコストを抑えられるから直接応募の方が有利なのではと鋭い方はお気づきになるかもしれません。

その考えは理にかなっていますし、就活系youtuberのutsuさんという方も直接応募を推奨しています。

しかし、一度もビジネスの世界に飛び込んだことのない僕たち研究者・博士課程学生が忙しい研究業務と並行して適切な企業の適切な職種を選び、誰のアドバイスもなく(基本的に研究室内に博士課程の学生で同期がいることは少ないかと思います)履歴書と職務経歴書を作成し、企業に応募して面接の日程を調整して、内定がもらえたら年収交渉や入社日の交渉をすることができるでしょうか?

転職エージェントはこれらの業務を一括して行ってくれるのです。

また適切な転職エージェントを選択すれば、あなたに適切な企業を紹介してくれるため書類選考の通過率も高くなる傾向にあります。

そのような視点に立つと、ポスドクが初めてビジネスの世界に飛び込む際には転職エージェントを使うことを完全に否定することはできません。

研究者にもおすすめの転職エージェント・転職サイト

Wantedly

こちらは新進気鋭のIT・WEBベンチャー企業が多く登録しているSNS型就活プラットホームです。

就職エージェントさんがつくというタイプのものではなく、自分のプロフィールを登録して、気になる企業にアポイントメントをとっていく方式です。逆に企業側からスカウトがくることもあります。

Wantedlyは年収や待遇ではなく企業のビジョンに共感できるかに重きをおいた転職サイトで企業ページに年収を記載することができません。

また、書類選考はなく、話を聞いてみたいというボタンを押して無事に企業から返事が帰ってきたらカジュアル面談という軽めの一次選考を受けることができます。

面談とかカジュアル面談とかって書かれていて、面接ではないと思って油断して臨むと痛い目をみます。

ちゃんと志望動機を準備しておく必要があります。僕自身もこのサイトから数社応募し内定をいただくことができました。

今ですとwebマーケティングの業界は未経験でも雇ってくれるところが多いようでした。一方でデータサイエンティストの職種は未経験では面談を断られてしまったり、選考の途中でお祈りされてしまうことが多かったです。

スタートアップやベンチャーは人材が不足しており、地頭の良い博士課程の学生やポスドクは未経験でも受け入れてくれる可能性があります。

ただし、ベンチャーですし、こっちは社会人未経験ですし、異業界への転職になってしまうので低めの年収を提示される可能性が極めて高いです。ポスドクの年収レンジと大差がない場合もあるでしょう(例えば300万円代とか、良くても400万円代)。

また有象無象のベンチャー企業の中から適切な企業を選ぶのは至難の技だと思います。ただでさえ、ビジネスの業界への経験が乏しいあなたに正しい判断ができるでしょうか。

アカデミアの研究者の夢は諦めたけどチャレンジングな人生を経験したい、あるいはそのベンチャー企業を踏み台にして尋常じゃない努力をして上にのし上がっていきたいという方にはおすすめです。アカデミアを離れたとしてもそれなりに覚悟が必要な業界になると思います。

リクルートエージェント・Doda

二つ目は、リクルートエージェントとDodaです。ネット上ではどっちが良い論争などを見かけますがどっちも大体一緒です。

日系の企業を中心に幅広い企業を紹介してくれます。

僕の場合、ライフサイエンス系の分野に希望を出していましたので、製薬や医療機器のメーカーの営業職・研究職(バイオインフォマティシャンを含む)など広く紹介していただくことができました。

日系の企業が多い印象です。一部に化学メーカーの求人が含まれるなどざっくりと多くの求人を紹介されるようなイメージです。

自分がどんな企業に就職できる可能性があるのか確認するのに非常に効果的なサービスだと思います。しかし彼らの保持している求人数があまりにも膨大であることが影響してか、可能性が低いのではないかと感じざるを得ない求人が多数見受けられたのが非常に残念でした。ピンポイントでここっていう求人を探したい場合、転職サイトをみて自分で探す必要があります。

どちらの豊富な求人数が売りのようですがリクルートエージェントの方が若干掲載数は多いようです。

ただし、担当につくエージェントさんの質と相性のブレ幅が大きいのでとりあえず両方登録してみて、気に入ったエージェントさんの方を利用するなどすれば良いと思います。

僕個人としては、それなりにちゃんと研究をしてきた研究者や博士中退の方がこれらの転職エージェントを使って転職することはそれほど強くおすすめはしません(ちゃんと研究をしてきたというのは、博士中退者でも論文を出している、バイオインフォ やプログラミングなどの技術がある、英語がTOEIC730点以上ある、学歴ロンダでも良いので旧帝やそれに準ずるレベルの大学、あるいは研究室に所属して良質な教育を受けている、日本学術振興会特別研究員に採用されているなど)。

これらのエージェントで紹介してくれる企業の中でも特に年収レンジが高い企業に関しては次に紹介するJACリクルートメントでも紹介してくれます。

JAC リクルートメント

博士中退やポスドクの中であえて転職エージェントに依頼するとすれば、JACリクルートメントということになるでしょう。こちらは外資系や大手製薬企業などの案件を紹介してくれます。

外資系コンサルとかの求人もあるようです。30代以上のハイキャリア向けとされていますが、博士課程とかまでいっちゃってる人は専門性の高いハイキャリア人材ですので20代とかでも紹介してくれますよ。

僕は当時は28歳だったので、30代向けの転職サイトだと思って登録していなかったのですが、Doda経由でJAC リクルートメントから面談のオファーが来ました。

主に外資系の理化学機器やライフサイエンス分野の技術営業とMLSという論文を読んで知見を提供する職種、内資の製薬会社のデータサイエンティストの求人を紹介されました。また、僕の経歴を踏まえてエージェントが企業にポジションを空けてもらえるよう交渉してくれたりもしました。

バイオベンチャー の研究職も1~2件ありました。中には企業の採用ページでは募集をしていない、非公開求人もありました。ただし、年収レンジは低めの印象でした。これではわざわざポスドクを抜け出す意味はあるのかな、と思ってしまいました。

紹介される求人数は上記の転職エージェントと比較して圧倒的に少ないです

しかし、その分ピンポイントで求人を紹介していただけます。どれくらいピンポイントかというと、書類選考が8割通過するくらいです。通常の転職サイトでは3割程度とされていますので驚異的な数字だと思いませんか?

こちらの転職エージェントさんはポスドクの人との親和性がとても高いように思えました。年収もポスドクの給与と比べて格段に上がる求人ばかりです。人生に安定的な生活の基盤を形成しつつ新しいことにチャレンジしていきたい方にとっては嬉しい限りでしょう。

また、こちらのエージェントさんは面接で聞かれる質問事項や、人事の方の人柄などの情報を事前に提供してくださるので面接をとても有利に進めることができます。

ただしある程度の質は担保されていますが、エージェントさんの質に若干のばらつきがありました。

僕自身は転職エージェントを使わず、直接応募することを強く推奨しますが、どうしても転職エージェントを使ってみたいという方にお勧めするとしたら、こちらの転職エージェントになります。

エージェントと面接しましょう

もしあなたが転職エージェント経由で転職エージェントを使うことを決心したのでしたら、まずは面談を申し込まれると思いますので、できるだけ早く面談を行いましょう。

ちなみに、どの転職エージェントさんもあなたに対して紹介したいと思える求人がない場合には登録をお断りされる場合もありますのでお気をつけください。

どのエージェントさんも基本的にはあなたが転職に至った経緯やどのような業界を希望するか、など親身になって聞いてくれると思います。

この時点で自分の情報を的確に伝えることでマッチする案件を紹介してもらえるようにしましょう。またこの際にエージェントが信頼できる人間かどうかチェックしましょう。

上記で紹介した転職エージェントサイトはどこも優良なサイトだと思いますが、エージェントは接客業であるため、エージェントごとの質にばらつきがあります。

例えばJACリクルートメントでは求人ごとに担当エージェントがついています。ほとんどのエージェントの皆さんがビジネスパーソンとして適切な対応をとっていただけたのですが、1人レベルの低いエージェントさんが紛れていました。

使えないエージェントだと思ったら、チェンジをお願いするか、そのサイトは使うのをやめましょう。会社選びという人生にとって大きなイベントを任せる相手なのでそこは厳しい目で判断するべきだと思います。

僕が思ったダメなエージェントは希望した業界・業種以外を紹介してくるエージェント、面談が塩対応(ドライな感じというよりも明らかに雑)、仕事が遅いエージェント(メールが1日おきなど)は微妙かなって思います。

次回は書類選考を含む、面接のプロセスについて紹介していきたいと思います

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