苦しかった時の話をしようか
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これが一番助けになったと思う。
ポスドクでいると社会との隔たりを感じる。
この本では給料は自身の能力ではなく、業界である程度決まると書かれている。
ポスドクでいる間は漠然と給料が低いなと考えていたが、実際は世の中に何もgiveせず好きなように研究活動をしているのだから(もちろんロングスパンで見れば日本、あるいは世界の科学技術の発展に貢献しているが)、給料なんてもらえるだけでも大変ありがたいのだ。
この本を読むことで資本主義から隔離された学術機関の違和感を実感させられた。
さらにこの本では人には職能がありC(communication)、T(Think)、L(Leader)に大別されると記載があった。自分がどの職能に秀でているかは今まで得意であったエピソードを多数アウトプットし、その動詞から判別できる。
例えば旅行に行くとして、電車の時刻表や周辺ホテルの価格、ランチなど入念に下調べして計画的に動くのが好きな場合はTの力が強い人と言える。
おそらく研究者という職能で一番必要になるのはTの力であると考えられる。
私は自分自身の分析を行うとLの力が圧倒的に高いことがわかった。
確かに教授になれば研究の方針を決めて、ラボ全体を導いて行かなければならないが、その職位まで辿り着くためにはTの力をふんだんに使い論文を量産する必要がある。
この点にいち早く気づき自分の職能を高めていくキャリア戦略を取るべきであったと今振り返ると思う。
私の場合には最終的に研究者を辞める決断をしたが、一方でこの本を読んで改めて自身が研究者に向いていると判断する人も多いと思う。それはそれで良いと思う。
自分自身が研究者に向いているかを再確認する非常に有益な本であった。
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