こんにちは。tomoです。
この記事を読んでいる皆さんはおそらくバイオ系の博士課程やポスドクの皆さんだと思います。
皆さんは、企業やアカデミアの研究者になることを目指して大学などの研究機関で研究活動に勤しんでいるのかと思います。
だけど、ぶっちゃけ不安はありませんか?
バイオ系のポスドクはピペド(ピペット土方あるいは奴隷)と呼ばれており、既製品の試薬を混ぜるだけの簡単な技術しか身につかないとされています。
もちろん研究活動を通して得た、仮説を検証する力や論文などを自発的に調べる能力などがあるとされていますが、仮に就職活動を行う際にそれらの強みって強調しづらいですよね。
そう言う能力って会社の人たちからすると学部の理系の学生にでもすでに身についている能力と認識されていて、ポスドクや博士課程の学生が転職・就職するときの強みとしては強調しにくいのではないかと思います。
ではバイオ系のポスドクや博士課程はどうすれば良いのでしょうか。
僕はこの答えの一つとしてプログラミングが有効であると考えています。
皆さんもよくご存知だと思いますが、正直言ってバイオ系の就職先は民間でもアカデミアでもほとんどありません。
バイオベンチャー などもありますが、iPSなどの特定の技術を持っている求人はありますが、それ以外だと客先常駐の派遣ポスドクや技術の切り売りみたいな企業ばかりです。
しかも仮に運よく製薬会社の研究職に就職できたとしても、研究開発は国内から国外に移行しているため、一生研究開発が行えるかはわかりません。しかもとても狭き門ですよね。またその製薬会社の研究部門が合併などによって閉鎖された場合、食いっぱぐれてしまうリスクもあるわけです。
製薬会社に入った後にずっと研究しかしてこなかった場合、転職先の候補もかなり限定的になってしまうことが予想されますよね。
もちろん博士以降まで駒を進めていらっしゃる皆さんのゴールは独立研究者になることかとは思いますが、それも簡単ではありませんよね。
しかし、研究が思うように進まず、万年ポスドク、万年助教になったとして、それは果たして幸せな人生と心から思ますか?研究さえできれば結婚も子供も旅行も趣味もなしでいいですか?
僕の書いたこんなブログを読んでいる時点で心のどこかに不安があるんじゃないですか?
だからこそプログラミングを習得して自身の市場価値を高めておくべきだと思います。
例えば、求人をみてみるとエンジニアの求人は腐る程あります。さらによくみてみるとIT x ヘルスケアみたいな分野の求人って結構あって、もしバイオ系の博士がプログラミングできたら引く手数多なのではないかと感じます。
皆さんがいつアカデミアをドロップアウトすることになってしまうかわかりませんが(もちろん皆さんがPIになることを心から願ってはいますが)、いずれにしてもITへの知識がある人の方が転職・就職市場では明らかに需要があるでしょう。
バイオ系の研究職の需要とエンジニアの需要の差を見ればプログラミングをやるのは必然的ともいえます。
さらにさらに、もしPIになれたとしても研究の効率化のためにプログラミングは必ず役立つと思います。現代の分子生物学の分野でバイオインフォマティクスなしで良いジャーナルに論文を投稿するのは難しいのではないでしょうか。
そんなわけでプログラミングはバイオ系の研究者にとっては必要不可欠のスキルであるといえます。
ではどうすれば分子生物学の勉強しかしてこなかったバイオ研究者がプログラミングスキルを習得することができるのかと言うと以下の方法が考えられます。
ちなみに博士課程やポスドクの方の転職の仕方について解説した記事もありますので興味のある方はチェックしてみてください。
いつものグラフをPythonやRで描いてみる
まずは、いつもexcelで描いてるグラフをPythonやRを使って描けるようになりましょう。
PythonやRの使い方はネットで調べればいくらでも出てきます。
最近はyoutubeで動画を挙げられている方もいます。
博士課程やポスドクの皆さんなら自分で調べて実践する力がついてるかと思いますのですぐにできると思います。
あとは論文の情報をスクレイピングするとかだと実用的なのでやってみる価値あると思います。
Rで作図できるようになると論文のグラフの見栄えがとても良くなりますよ。
Rで作図できるようになると論文読んでる時にExcelで作図しているグラフの見栄えの悪さが気になるようになるくらい差がありますよ。
次世代シーケンサーなどの網羅解析を用いた実験技術を導入する
もし研究室を変えるチャンスがあるひとはバイオインフォマティクスの手法を取り入れた研究室に行ってみるのがおすすめです。
その研究室にはプログラミングを使える研究員や主宰者がいるはずなので効率的にプログラミングのスキルを身に付けることができると思います。
いわば、ただで(学費は払ってるかもしれませんが)プログラミングスクールに通っているようなものです。
もちろん研究室を選ぶ際には自分のやりたい研究テーマで選ぶことは重要だと思いますが、研究室選びの判断材料として考慮しておくと良いでしょう。
ちなみに僕の場合は、修士課程からバイオインフォマティクスを扱う研究室に移籍してRなどのスキルを身に付けることができました。
3ヶ月くらい頑張ってれば自走できるようになると思います。たったの3ヶ月の努力でその後のキャリアの可能性が広がるので費用対効果は絶大だと思います。
プログラミングを独学する
最後は独学です。博士やポスドクの皆さんなら能力高いので可能だと思います。
もちろんプログラミングスクールに通うのもありですが、最近はプログラミングのやり方をブログやyoutubeでわかりやすく解説してくれる人たちがたくさんいます。
それにみなさん研究で多忙でしょうからなかなかプログラミング学習だけにコミットするのも難しいでしょう。
基本的には、自分が研究を進めていく中で自動化できたら便利そうなことを順番にプログラミングで処理していけば良いと思います。
例えば大量に棒グラフを書かなくちゃいけないって時にプログラム書いてみるとかって感じです。
どうしてもスクールのようなものを受講したい場合、まずはそれらの無料コンテンツを使って独学してみるのがノーリスクで良いのではないかと思います。
あとはProgateとかでも途中までは無料でできるので雰囲気を掴む良いきっかけになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本日はバイオ系の研究者の皆さんにプログラミングをおすすめしてみました。
今日伝えたいことをまとめますと、
- アカデミアに残るにしろ民間にいくにしろプログラミングのコスパは最高。
- 学ぶ言語はPythonかRがおすすめ(Pythonの方がおすすめ)です。まずはグラフを描いてみるなど、簡単なことから始めてみましょう。
- チャンスがあればバイオインフォマティクスを使っているラボで研究するのがおすすめ。
- ポスドク、博士課程なら独学でもネットやyoutubeを使ってマスターできる可能性あり。
です。
今回の記事が皆さんの役に立つと幸いです。
コメント