こんにちは。tomoです。
理系学生にとってどこの研究室に行くかは非常に重要ですよね。
生命科学の分野ですと、どんな現象を明らかにしたいか、どんな生物種を対象とするかなど検討しなければならない項目も様々あります。
中でもどんな手法を用いるのかと言うのはその後の研究の展開や自身のキャリアに大きく影響してくることと思います。
そこで今回は実験手法に焦点を当ててどのような基準で研究室を選ぶべきか考えてみたいと思います。
最終目標をどこにするか。 大学院生には大きく分けて二つの選択肢があると思います。一つ目はアカデミアに残り研究者を目指す道。もう一つは企業研究者を含む産業の道。
どちらの方向に行くにせよ、自身の可能性を最大化できる研究室を選択することが重要だと思います。そういう意味では自分の興味のある研究室に行くということも重要ですが、どんな技術や知識が習得できるかも考えなければいけません。
また「失敗しないラボ選び8選【理系学生向け】【生活編】」や「失敗しないラボ選び8選【理系学生向け】【研究編】」も合わせて読むと研究室選びの理解が深まると思います。
アカデミアを目指す場合
自分の追求したい研究テーマをさらに深めるためにはどんなことが出来ると将来的に有利になるかを意識するべきだと思います。
有利というのは独自の研究分野を確立することと、それによって独立ポジションを得やすくすることです。
さらにその研究が学術的にニーズがあることが望ましいです。
企業研究者を目指す場合
どんな技術を持っていれば雇ってもらいやすいか意識して研究室選びをすることが必要でしょう。
研究職以外の職種を目指す場合でも、例えばIT業界に興味があるならバイオインフォマティクスをやるなどその業界に対して強みが持てるスキルを習得できる研究室を選ぶと良いでしょう。
ここで、生命科学の基本的な技術をまとめてみましょう
僕の個人的な角度から見ると、
- 生命科学の研究は 古典的な生物学実験(分子生物学一般、動物実験など)
- バイオインフォマティクス(次世代シーケンサー、MS解析などのビックデータを用いる分野など)
- 構造生物学(NMR、X線解析、電子顕微鏡) 顕微鏡(一分子イメージングなど)
に分けられます。
古典的な生物学の実験には職人的な技術を要するものなど例外はありますが、一般的な分子生物学を学んだ研究者ができる技術を指します。
勝手なイメージかもしれませんが、世の中にはこの技術しか持ってない人が非常に多いように感じます。
これがいわゆるピペット土方と呼ばれるポスドクが量産されてしまう理由の一つになっていると僕は考えています。
物凄いアイディアが豊富な人でしたら、この技術だけでも十分にやっていけるかもしれません。
しかし近年の生命科学分野の技術のめざましい進歩を考えると一般的な人にとってはこの技術だけで勝負するのは難しいのではないでしょうか。
そこで凡人は古典的な生物学実験+αの技術を習得することが必要になってくるのです。
具体的には先ほど私が示した実験技術群を習得することが考えられます。融合分野的に他の研究分野の技術を取り入れたりできるとなお素晴らしいと思います。
特に僕個人のお勧めとしてはバイオインフォマティクスや画像解析の技術です。
これらの技術を身につける過程で、プログラミングのスキルも身につくので非アカデミアのポジションも含めた選択肢が増えると思います。
またアカデミアのポジションの中でも最近だとバイオインフォマティクスの実務経験を要項に含めている場合が見られます。
よってアカデミアでのポジションの選択肢を広げるという意味でも古典的な生物学+αの技術を習得すると良いのではないかと思います。
今回は実験技術の視点から、研究室選びについて考えてみました。
参考にしていただけると幸いです。
コメント